大阪市立桃陽小学校×北村成美 (2日目)
2011/10/21(3-4時間目)

今日は2回目の授業。前回はクラスごとに1時間でしたが、今日は学年で2時間の授業です。

中間休み。音楽が鳴る体育館に、子どもたちが入ってきます。

おんぶをする子。

端で座る子。

音楽を聴いてくるくる回る子。

人間椅子をする子・・・様々に体育館で過ごしています。

休み時間も終わりに近づくと、自然としげやんの前に集まる子どもたち。

やがて、体をふったり、膝をパタパタと動かしたりするしげやんのまねを始めます。

 

スーハー、スーハー。前の授業でやった呼吸を、思い出しているよう。

そして、規律。

ピッと気をつけ。

だらっと立つ。

も一度ピッ!

息を吐いたり、ハッと驚いたり、背伸びをしたり・・・と思うと、横に、後ろに動き始める。歩いて止まる。また、反対に歩いて、今度は・・・

走った!!!

走り始めるしげやんに、緊張していた表情に笑顔が浮かび、歓声も聞こえる。でも、集中は続きます。

 

 

 

円になって、あっちへぐるぐる。こっちへゴロゴロ。

やがて、正座。呼吸。

手をつきかけて、やめる。息を吸って、また手をついて・・・

「よろしくおねがいします!!」

や~っと、しげやんの声がしました。

「ちょっとにぶかったな~」としげやん。

「見て、わかってから動こうとするとこうなる・・・つまらんやろ?“打てば響く”っていうの、すごい大事」

前回と同じメッセージが、動きをもって語られます。

開始から約10分。

「今日、早速皆さんにふりつけをしていきます」と、宣言するしげやん。そして、アシスタントの下村さんと音楽に合わせて、踊り始めます。

 

 

その後、「何をしてたかわかった人?」「何に見えた?」と問うと・・・子どもたちからは、カエル、ウサギ、バネ、ノミ、チーター、カンガルー・・・との答え。

「どれも正解。そのどれでもないことをやりたい。」と、しげやん。

しげやん「この曲どんな曲やった?」

こどもたち「ヴァイオリンとピアノ」

しげやん「私たちは、何してた?」「何で踊ってた?」

こどもたち「足、手、腰、おしり・・・」

しげやん「ヴァイオリンとピアノの曲を使って、各々、おしりで、えんそうしてました。

からだを使って大演奏会をしたい。」

「みんな、リズムとかメロディーってしってる?」

「リズムってどんなん?」

こどもたちは、三拍子をとる。

すかさず、「これ、三拍子ちゃうし」と、ただ手を叩く様子を見せるしげやん。

腰と膝を動かしながら、手をたたいてみせる。

「メロディーってどんなん?」

「メロディー知ってる人?」

手を合わせて、波打つようなメロディーの動きが出てきます。

「二人でリズムとメロディー組み合わせてやってみて。」

これが、今日のきっかけとなるお題です。

さて、ここからが、今日のドラマの始まりでした。

ある二人組が見本になりました。リズムとメロディーになって踊る二人をみんなで見ます。「やってること、わかるやろ?もっと、やってることわかるように」としげやんからのコメント。

練習していると、また新たな見本をしげやんが指名します。「さらに進化してる。人があってくれるのを待つんじゃなくて、いつもいっしょ。」

練習再開!そして、また新たな見本のペアが指名されます。「これ、さらにかっこいい。さらに進化してる。それぞれの見せ場がある。」

仲間の活躍と、しげやんの的確なコメントに、だんだんこどもたちも、どんなふうに動いていけばいいか、わかってきた様子。どんどん動きがアクティブになっていきます。

また、今度は、リズムとメロディーの関係の曖昧さを指摘し、「自分にわかったらいいんじゃなくて、相手の人にわからなあかん。自分にたたいてる。わかるように。」というアドバイスが語られます。

最初はペアでやっていたものが、自然発生的に数人のグループになっていくところも。

そんな6人組の男の子グループがみんなの前で踊ります。

「踊れる男子、多いな」と、しげやん。

女の子のペアも見本になるけれど、ちょっと恥ずかしそう。

そんなとき、しげやんは、まず、相手に、そして、周りの見る人に伝えることが大切だと語ります。

友達のユニークな動きが、しげやんによって紹介され、体育館は、どんどん創作の熱気を帯びていきます。

しげやんに「見て~」と言われて、大喜びする男子たち。

どんどん、動きが発明されていきます。

そうしている間に休み時間。

なんと、この動きの発明への情熱は休み時間も続き、熱心に活動を続けます。もう、アイデアを出したり、動きを創ったりするのが、楽しくてしょうがないという感じ。

この創作に向けて突き進むエネルギーに、スタッフもびっくりでした。

 

 

***4時間目***

「オーケストラの生演奏聴いたことある?」としげやん。

最初に、指揮が手をあげたら、すっ最初はポーズをすることや、

リズムやる、メロディーやるという構えをするとの指示。

指揮者手をあげたら、最初にやる人の所に走って。すぐ始めれるようにしてください仲間で開発したやつ、練習してみて。さっきまでいろいろ発明してた仲間のところにいってください。」

一回やってみて、しげやんから「ここまでできたら、できたも同然」との嬉しいコメント。

その後、一組ずつ、考えた動きの発表です。みんなが見守る中、順番に発表していきます。やる気満々のグループもあれば、ちょっと心細そうなところも。

男の子たち数人のグループ。一つの動きを見せて、「終わり?」としげやんが聞くと、「まだある。」次の動きを見せて、「終わり?」と聞くと、「まだある。」たくさん開発をしていたのでした。そんな彼らに、しげやんからは、「1つの歌になるように開発して。つないでる間も音楽とまらないように。曲ちょっと歌って、まだあんで、っていわないでしょう?

 

 

 

例え話も盛り込みながら、グループごとにしげやんならではのコメントがつけられます。

「いっせ~の~で」と言って始めているグループには、「歌う前に、いっせいの~でって言う人いいひん。」と、始め方の工夫をするようにコメント。

二人の間で足と腰を持って揺られてる子には、「腰、いたくない?」と確認。

見せるまでにもたもたしていると、「おそい、おそいとこ時間ないし。」との言葉。

それぞれがやって、私たたいてますから。これでは駄目。これで、1つの音楽になってなあかん。

最後の方、1つになった。だんだんじゃなくて。1つになるっておもしろいな。

リズムとメロディー。一人でわかれてるんじゃなくて、一人でどちらもやる。

あるグループは、お互いに帽子なげる動きが

アイデアめちゃめちゃおもしろい。ものをとばすことで、メロディー。」と、ユニークな点を評価します。

伝えきってない。みんなに伝えるねんけど、まず、相手に。やって本人同士わからんことを、見てる人もわからん。

ブリッジしてる人の努力に比べて、まわりの人の動き楽しすぎ。損得あったらあかん。

リズムとメロディーが途中で変わってました。

 たくさんのグループそれぞれに、しげやん目線の鋭いコメントが寄せられます。子どもたちは、真剣に受け止めている様子。

 全部のグループの発表が終わり、今言われたことをふまえて、グループごとに練習する時間をとることになりました。

 

 

12:15

いよいよ今度は全グループで一斉に曲に合わせて踊ります。

自分たちの組、どこにいるかしっかり見せて。

今日、一曲ためしてみよう。どんなかんじになるか。」と、話すしげやん。

その時、体を斜めにして立っている子がいたのでしょう。しげやんは、こう語ります。

こういうふうに立つのをやめてくれる?(実際にやってみせる)

おまえ、今から何しゃべんねん、というふうに見える。

人の話を聞く身体。身体全部が相手の方に向いてるねん。

前回と同様、身体が、意識せずとも表現してしまっていることを伝え、身体への意識を促します。身体は、よくも悪くも、多くを語っているのですね。

もちろん、いきなり踊りだすこともできませんでした。踊り出す以前に、大切なこと。

移動が遅ければ、「始まんのおそいの失格。一秒でもおそかったら、だれもみてくれへん。

ハイ、もどってもどって。」との言葉。

そして、曲に合わせて踊りました!!

その踊りは、周りのスタッフも、先生も、アシスタントも、そしてしげやんも、びっくりするくらい、素晴らしい踊りでした。

あらかじめ決まっていた動きではなく、2時間の授業の中で、友達と関わりながら生まれた動き。生まれたばかりのダンスは、どこか原始的で、うねるようなエネルギーと、踊りの神様が舞い降りたような熱狂を感じました。

一斉に繰り広げられる、『祝祭』のような踊り。あまりのおもしろさに、目が離せず、夢中で見つめてしまう時間でした。

 

そして、音楽が終わり…

むちゃくちゃよかった!!」と、笑顔で話すしげやん。

今日、たった二時間の授業でどこまであるんや。これ、めちゃくちゃかっこいいから。

そして「それぞれのグループが、入れかわるのをもっとたくさん作ること。静かなシーンも作ってみること。だんだん。どっからみても、わかるように工夫すること。」という宿題が出されました。

呼吸を合わせて、まねをして、最後は、うわ~~~っと声を出して、のびて、手をついて、礼をして…授業はおしまい。

いよいよ次は、最終回です。

その後の先生との振り返り。

印象的だったのは、「ワークショップらしいワークショップになった」という北村さんの言葉です。

北村さんいわく、小学校のワークショップで、今日のようにここまでできるのは、めずらしいパターンだそうです。

北村さん「ダンスのワークショップの場合だと、やりたい人がくるが、小学校の場合は、ダンスへのモチベーションがすごくまだらである。いろんな気分の人がいる中で、今日のようなダンスができるのは、すごいと。来週できあがる作品が見えた。」

実 際、北村さんは、今日の授業で、振り付けをしようと考えておられ、段取りもされていましたが、実際は、段取りを全然しない方向にいったそうです。前回、 「打てば響く」というメッセージをこめたワークショップを実施し、それがどれだけ残っているかを試しながら進めていくということだったのですが、子どもた ちの反応がよく、その反応を見て、今日のような流れになったということでした。

北村さん:

今日は、こういうふうに向かっていくんだ、自分たちでゴールを見つけて、そこへ道をつくった。

6年生。思春期。いろんな人たちがいてるであそこまで全員でやる。あまりみたことがない。

また、「1組ずつ見せる」というパートについては、

・できてるかどうかでなくて、人にみせる。ということを知ってほしかった。できてるけど、うまくできひん。そこへ向かうのに時間がいる。勇気が足りない。それがわかる。

・1組、見せないグループがあったが、えらいのは、「未完成です」といった。完成品を見せたいというのがあった。そのあと、ちゃんとできてる。

 という意図や感想が話されました。

他にも、

・休み時間が始まったとき、「よっしゃ~」という声が聞かれ、それは、休み時間で遊べるというのではなくて、もっと踊りを考えられるという意味の「よっしゃ~」という声・雰囲気であったということ。

・指名をして、「みんなの前でやって」というと、「イエ~イ」という反応が返ってきたのは、初めてだ

 と北村さん。北村さんにとっても、今日のワークショップでの子どもたちの姿は、新鮮なものであったようです。

先生たちからは、

・動くの好きな子。ばーっと動いてくれた。それにのまれてうごけた。

・楽しかったと思う。

・グループ化されてた方が動きやすい。

  

 というコメントや、意外な子どもたちの活躍を喜ぶ声が聞かれました。

ま た、「一人ぼっちを作らないように」などの、声かけがなかったにもかかわらず、一人になってる子、いなかった。こういうことをやってたら、(あの子が一人 なんじゃないかな)と思える。一人になるかもしれない子を、気になった子がいて、すごいなと思った。」という話もありました。

他にも、振り返りの中で、

・形がおもしろい。アフリカの祝祭のようだ。

・大人じゃ考えつかないような子どもの動き。

・やりたくて、やりたくて仕方ないがない様子が伝わってくる

ダンサー:今から練習→一人ひとりだと思いつく子もいるけど、何も思いつかない。見た目にはすごくなくても、自分の思いついたのは、これだけだけど、みんなでやると。

ま た、今日の授業では、自然発生的な部分が多く見られました。動きについてもそうですが、実は、グループについてもそれがいえます。「二人組からグループに なって」という指示をしていないけれど、自然にグループになっていきました。やれっていうのと、自然になるのは意識として雲泥の差があり、人に何かしても らいたいとき、促して行く、待つということが必要だという話が出ました。

最後に音楽について。

北村さんいわく、三拍子というのは、「トランスしていく拍子。」心臓の拍子でもあり、人の潜在的なものに触れるリズムだそうです。

「なにやら、すごいものを見てしまった・・・」そう皆で確信し、次回に向けて期待を高めつつ、ふりかえりは終了。

興奮を胸に学校をあとにします。次回はいよいよ最終回。5年生に向けての発表です。

大阪市立三津屋小学校×remo(1日目)
2011/10/17(3‐6限)

三津屋小学校5年生 1日目

今回、remoが実施するプログラムは『ご近所映画クラブ』と呼ばれるremoのプログラムを小学校向けにアレンジしたものを実施しました。。
このプログラムの手法は、映像作家で著名なミシェル・ゴンドリーが創りだしたワークショップとして全世界でも有名です。
最初に久保田テツさん、蛇谷さんから自己紹介。

まず、司会の蛇谷さんから、これまで見たことがある映画について質問後、その映画を作る人にはどんな人がいるか聞いていきます。
子どもたちからも、監督、カメラマン、役者など様々な意見が挙がっていきます。
久保田テツさんは、映画のタイトルを取り上げて、様々なジャンルの映画を私達が普段特に意識せずに見ていることを丁寧に説明されていました。

その後、映画の作り方を詳細に説明するために映画「三丁目の夕日」のワンシーンを題材に、カット割りについてみんなに伝えていきます。
カット1つ1つにそれぞれ意味があることを丁寧に伝えていきます。たった20秒の映像なのに製作者の思いが伝わってくる。
それをみんなで作ってみるのが、このワークショップの主旨です。
 

その後は、映画の作り方について説明。
  1. あらすじを考える
  2. セリフを考える
  3. 服装や小道具を考える
  4. 仕事の担当者を考える
  5. タイトルやテロップをつくる
  6. ビデオカメラについて学ぶ
  7. リハーサルをする
一連の流れが多くて、少し子どもたちも不安そう。でも、心配せずに一緒にゆっくりやっていこうと声をかけるremoの二人。
これらの一連の流れを子どもたちが作っていけるように、各グループに分かれて制作スタート。

【話し合いのルール】
  1. 一人の意見にしたがわない。
  2. 恥ずかしがり屋の子の意見もしっかり聞く。
  3. できるだけ全員のアイディアがつまっていること。
  4.  思ったことを口に出す(直感を信じよう みんなで考え、みんなが出演、時間を守ること。

1週間前から、 どんなジャンルの映画を撮りたいかを 子どもたちに学校の先生から聞いてもらい、 すでに各クラス4つの班にわかれています。 子どもたちのアイディアが、その場でどんどん 採用されていく、もしも、学校の中で「戦争」が起きていたら、、 など、刺激的なテーマも出てきました。 テーマの例を提示していきながら、 各班で、テーマを決めていきます。 テーマも魅力的なものを子どもたちが話し合いながら 選び、その後の 休み時間に入る前には、撮影場所を選びます。 普段は入れない体育倉庫や、屋上、理科室など、 学校ならではの場所を舞台にテーマと つながる場所を決めていきます。

その後、各班で

「カメラマン」、「カメラマン補助」、「美術係」、「書記係」、「役者」

の5つの役割に分かれていきます。 カメラマンだけは、映画の中に入れないので、 それ以外の役割がどちらかというと人気。 でも、役割を変えて、カメラマンの人も 交代して少しは映像の中に映ることを できるようにしました。 実際に休み時間の10分休憩にそれぞれが考えいてる場所を見学に行きます。 休み時間終了後は 各班で決まった場所を紹介していきます。

例えば一例を挙げると、、

【テーマ】もしも、さいきょうの力を手に入れたら 【撮影場所】屋上で

【テーマ】卒業した後 10年後、、 【撮影場所】講堂で

【テーマ】もしも、恋をしてしまったら 【撮影場所】図書室で

【テーマ】もし、ゆうれいが見えたら 【撮影場所】階段で

などとても魅力的な場所とテーマを 考えれてくれました。

その後は、 大きな模造紙に子どもたち同士で話し合いながら 「あらすじ」を決めていきます。参考に、「のび太のストーリー」を 大きなあらすじにして例示します。

のび太が困る。→ ドラえもんが道具を出す。 →のび太が助かる。

これらの一連の流れを分かりやすく説明しました。 最強の力を手に入れるためにどんなきっかけが あればよいか悩んでいる班には、 まず、様々なアイディアを出して、 その後、1つ選ぶ方法を伝えてみる。 青春ものでストーリーを作っている班には、 終わりのシーンをイメージしてもらった後に そこに至るまでの流れを考えるよう伝えてみる。 一方で、子どもたちからも様々な自由なアイディアが たくさん出てきます。 図書室での恋愛ものは、 手と手が重なりあった瞬間から はじまるなど、具体的なシーンをイメージしながら あらすじを作っている班も。 その後は、より細かいあらすじ内容を 考えていく時間になりました。 今日は、最初なので2コマだけ。 来週は、カメラの撮影についての レクチャー後、実際に映像を 撮っていく流れまで進めていきます。

大阪市立苅田北小学校×三原美奈子 (1日目)
2011/10/14 (3~6時間目)

 苅田北小学校の4年生2クラスを対象にした授業が始まりました。講師は、パッケージデザイナーの三原美奈子さんです。

 今回の授業のテーマは、お菓子や日用品の空き箱を使って「パッケージイグルー」を作るワークショップです。

  「パッケージイグルー」というのは、お菓子や日用品の空き箱のパッケージを活かして作られたイグルーのことです。三原さんによると、今回作る「イグルー」 のイメージは、雪や氷で作られたイヌイット達の暮らしの知恵から生み出された住居だそうです。イヌイット達の一時的な家として作られるイグルーは、雪や氷 で、その場で作ることができるとのこと。

 今回は、あえて、「パッケージイグルー」という名前は出さず、子どもたちから自由に箱を使って作りたいものを考えて、絵に描いてもらいました。そして、その絵をもとに、三原さんに設計図を提案してもらうという流れになりました。

 子どもたちから出されたアイデアは、様々でした。秘密基地、お城、木、恐竜、家、学校、トンネル・・・等など。

 さて、三原さんは、子どもたちのアイデアから、どんな設計図を思いついたのでしょうか?

 

*** 実際の授業の様子 ***


【実施1時間目】

※実際は、3・4時間目(4年1組)と、5・6時間目(4年2組)の授業の流れや子どもたちの反応に違いがありますが、ここでは、両方のクラスの様子をまとめて書いています。

 朝からどんよりと曇った空とは反対に、とても元気な子どもたちの挨拶で、授業が始まりました。

  まず、三原さんから自己紹介。

三原さんの「デザイナーって知ってる?」の問いかけにうなづく子どもたち。更に、「どんなことする人?」との問いかけに、「イメージする人」との答えが返ってきました。

アイスの箱を手に「こういう箱、どこで売ってる?」と問いかけると、子どもたちからは口ぐちに、「スーパー!」との答え。

 「そうだね。スーパーとかで、売られているよね。」と、箱を見せながら、デザイナーの仕事について説明する三原さん。

 そして、早速、箱を使って作るための、設計図の発表です。

「みんなの絵、とってもカラフルで、色んな絵があって楽しかったです。実際にできるかどうかも考えて、こんな設計図を選びました。」

 そう言って発表されたのは、1組「大きな顔の家」「星形の家」。2組は、「トンネルハウス」「お城の学校」です。自分の絵が選ばれた子は、嬉しそうにしています。

 

*** いよいよ作り始める! ***

 さて、ここからいよいよ作り始め。まずは、イグル―の基礎工事ともいえる箱の補強作業にとりかかります。

 「今から、箱の補強をします。補強というのは、強くすること。上に、たくさん箱を積み上げるので、一番下の箱を強くします。そのために、ダンボールを使います。」と、三原さん。

 子どもたちには、一人一枚のダンボールが配られました。補強の作業の手順は、このような感じです。

 1.箱の底面の大きさの型をとる。

 2.型より少し小さめに切る。(上下2枚)

 3.余ったダンボールを丸めて箱に入れる。

 4.ガムテープで開いている部分をとめる。

         補強完成!

 ダンボールをハサミで切るのが大変だったり、テープを切るのが大変だったりしましたが、そのおかげで、みんなで協力しながら取り組む様子が見られました。大変な作業ですが、子どもたちは、とても集中して取り組みます。

切りにくいけど、あきらめずに取り組みます。

一人でやるより、一緒にやるとやりやすいね!

作業の途中で、三原さんからパッケージにまつわる色んな話がありました。興味深かったのは、次のような話です。

 空き箱を手にした三原さん。子どもたちに尋ねます。「どっちが表だと思う?」子どもたちの「こっち!」の声に、「どうしてそう思う?」と質問すると、こんな答えが返ってきました。

「中に入っているものの絵が描いてあるから。」「その物の名前が大きく書いてあるから。」

「そうだね」と、三原さん。箱には、表と裏があって、表には、商品名や中身が描かれていることが多いことを確認。また、「裏にも大切なことが書いてあるから、見てみてね。」とも語られました。

 また、こんな話も。

コーンフレークの箱を手にした三原さん。あれ?表にも裏にも、商品名と中身が書かれています。

 「こんなふうに、どっちも表にできるものもあります。」でも、よ~く見ると、絵の向きが違います。こっちは縦向き、ひっくり返すと、横向きの絵が現れます。「どうしてかな?」

 少し難しかったのか、子どもたちは、じっと考えこんでしまいました。

  すると、三原さんは「みんな、さっき、スーパーで商品を売ってるって言ってたよね。例えば、会社の人が、“この商品を置いてくださいって”スーパーにお願 いしたとする。その時に、“ああ、うちの棚のサイズでは、この箱は置けません。”って言われてしまったら、困るよね。そんな時に、縦にしても、横にしても 置けるようにしておくと、お店に並べてもらいやすいよね。」

 この説明に、子どもたちは、納得の様子。いつも見ている商品の箱にも、色んな工夫がされていることを学びます。

ここまでで、最初の時間は終了です。

 【実施2時間目】

 さて、いよいよ組み立てです。前の時間に補強した箱を並べて、イグル―の形を作ります。前もって、三原さんがそれぞれのイグル―の形に、床に赤いテープを貼っておいてくれました。

2つのグループに分かれて、赤い線にそって箱を並べます。

隣の箱とぴったりくっつけること。箱の表が外側にくるようにすること。背面のラインをそろえること…なかなか大変な基礎工事。これも、一人ではできません。

 「おれ、テープ切るわ。」「ここ、おさえてて。」「もうちょっとそろえよう…。」声をかけあって、協力しあって進めます。男の子も女の子も、協力し合いながら、とてもいい雰囲気で作業は進みます。

 最初に作った箱は全部並べたけれど、まだまだ補強した箱が必要です。

 「よし、もっと作ろう!」と、いそいそと二度目の補強作業に励む子どもたち。もう、子どもたちも、やることがわかり、自分たちで動き出し、教室は、どんどん活気を帯びていきました。

 箱を集める子。ダンボールをまるめる子。補強をする子。テープを切る子。箱と箱をテープでくっつける子。大人が指示したわけではないのに、自然に分業がされていきます。色んな職人さんがいて、みんなで一つの家を作っている雰囲気。和気あいあいとして、みんなとっても楽しそう。

作業の合間には、三原さんから箱について、こんなお話がありました。

 「牛乳パックは、頑丈なので、補強しなくても大丈夫です。組み立て方は、こうします…。」そういって、牛乳パックの開いた部分を折りたたみ、直方体にする方法を説明。その鮮やかさと、出来上がった箱のきれいさに、「お~、すげ~!」と子どもたちから拍手が起こります。

早速、自分たちもやっていみたい!と、子どもたちのやる気がムクムク。三原さんの説明が終わるやいなや、牛乳パック探し始めます。さっきの話のように作ることができると、とても嬉しそうでした。

 さて、このイグル―の組み立て。単純な作業に見えますが、実は、色々、考えることがいっぱいです。

 例えば、箱を置くときは、どちらが表かを意識しないといけません。(この箱は、どっちが表かな?どの向きにおけばいいかな?)と考えながら組み立てます。

 また、組み立てていくと、小さなすきまができます。「窓にしてもいいし、そこに合う、小さな箱をみつけてもいいです。」と、三原さん。

 箱を、「持つ」「触れる」「選ぶ」「くっつける」という具体的な「作る作業」に加え、「箱の表がどちらか考える」「すきまをいかす」「ラインをそろえる」「入口・出口の形を工夫する」という「デザイン」も同時に行いながら、作っていく過程は、とても興味深いものでした。

 また、実際に手を動かしながら組み立てる過程、そして、箱に触れて重みや手触り、形のおもしろさを味わう過程でイメージやアイデアが生まれ、創作に結びついているように感じられました。

 先生も子どもたちもスタッフも入り乱れて、夢中になって取り組んでいると、あっという間に終了の時間が近づいてきました。

 最後に、三原さんから宿題です。

  「今日は、要量がわかって、夢中で作業しました。次は、グループで、考えて、工夫をしてみてください。例えば、顔を作るグループは、どうやったら顔に見え るかな?箱の組み方で顔に見えるようにするとか、目の部分は白い箱を集めるとか、グループで考えてみてほしい。他にも、窓の形をどうするか、壁の色をどう するか…グループで話し合って、今後の作戦を立ててみてください。」

 子どもたちは、次への期待をふくらませ、教室をあとにしました。


*** ふりかえり *** 

放課後、担任の先生二人と三原さん、スタッフで打ち合わせを行いました。

 先生たちからは、「みんな、やりたくてしかたない。」「こんなこと大好きだ。」という声や、「○○くんが、できたはしから先生を呼んで、喜んでいた。」と、普段とは違う子どもたちの姿を喜ぶ声が聞かれました。

 スタッフからは、「自然な役割分担が出来ていた。」「男女仲がよくて、ペアになって作業を進めていた。」との意見。

 三原さんからは、さらにかっこよくなるには…という視点で、子どもたちに是非考えてほしいことについての話や、オプションとしてどんな工夫ができるか(例:箱の中にクイズが入っている・カレーの箱が何個あるか、数えてもらうなど)という話をしていただきました。


 さて、次に行くときには、どんなふうになっているのでしょうか?

 トンネルハウスのトンネル部分のみ、少し作業しやすいように三原さんの手を加え、一日目は終了しました。

 20日(金)に2回目のワークショップ、そして、最終日(10月25日)は、保護者の方、そして違うクラスの友達に発表をする予定です。

 さて、どんなイグル―になることでしょう。完成が楽しみです。

大阪市立桃陽小学校×北村成美 (1日目)
2011/10/12(3-4時間目)

 

※6年生1・2組。各クラス1時間ずつの授業を実施しました。クラスによって授業の細かい流れや、雰囲気は異なります。今回は、最初に実施した6年1組の様子について報告します。

今日から、桃陽小学校での授業が始まりました。講師は、ダンサーの北村成美さんです。アシスタントは、下村さんと鈴木さん。6年生2クラスを対象にした授業です。全3回の実施で、最終日に発表をする予定です。

この学校の体育館は2階にあります。中間休みになると、担任の先生が挨拶と打ち合わせに来られました。続くように、6年1組の子どもたちが入ってきます。みんな思い思いにおしゃべりしたり、身体を動かしたりしています。

そうしている間にチャイムが鳴りました。いよいよ授業の開始です。

担任の先生から北村さんの紹介。「しげやんです!」の元気な挨拶に拍手!アシスタントの紹介の後、対面して、「よろしくお願いします」と頭を下げて、顔が上がると…もうワークショップのスタートです。

スーハ―、スーハ―。体育館に響くのは、呼吸の音。前に並んだしげやん達ダンサーは、子どもたちを見つめながら、呼吸を繰り返します。

咄嗟に同じように息を合わせて呼吸をする子も現れました。

一方で、何も言わずに突然始まった出来事に、(ん?何が起こってるの?どうしたらいいの?)と、興味深々に見つめる子もいます。他にも、お互いの顔を見合わせる子。しげやんの真似をする子…子どもたちの反応も様々です。それでも、しげやんは黙ったまま、続けます。

呼吸の次は、身体も動き始めます。正座をしたり、四つん這いになたり、立ち上がったり…。

前方の男の子を中心に7~8名の子たちは、しげやんの真似をしています。

一方で、後方の子たちは、しげやんの動きを見つめながらも、身体を動かすことには、躊躇している様子。

10分くらいしたところで、しげやんが、子どもたちを手招きしました。しげやんの周りに集まるみんな。

「何やってた?」、と問いかけるしげやん。

その後、しげやんから語られたのは、「プロ」についての話。

「プロフェッショナルとは、“自分で決めて自分で動くこと”。人に言われて動くことじゃない。私(しげやん)に言われて、動くのでも、先生に言われて動く のでもない。仕事をすれば、自分で決めて自分で動けない人は、稼げない。私はプロのダンサーだから、今回、みんなと、子ども向けの簡単で楽しいダンスでは なく、プロのダンスをしたい。」

しげやんは、そう言うと、近くに座っている子の身体に触れました。それに反応してしげやんと一緒に身体を動かす子どもの姿に、「そう。プロっていうのは、こんなふうに関わりができる。」と、話します。

「やることわかった人?」の問いかけに、みんなの手が挙がりました。

その姿を見て、しげやんから次の指示。「全員の顔が見える所に移動して。」

子どもたちは、静かに円を作りました。

「本当にそれで、みんなの顔が見える?」

人と人が重なっている所を直す子どもたち。

お互いの顔が見える円ができると、また、しげやんの呼吸が始まります。指示はないけれど、今度は、みんな真似をしていきます。

足の指を触ったり、ストレッチをしたり、おしり歩きで進んだり戻ったり。回転をすると、キャーキャーと歓声も響きます。
「今からもうちょっとプロフェッショナルなことをするよ。」
しげやんは、ぐるりと、子どもたちを見渡すと、ずんずんと近づき、一人の子の前で、手を差し出しました。

「え?おれ??」というように、首を前に突き出す子。しげやんも、その動きを真似します。周りの子どもたちは、そのやりとりを見て、にんまり。

その子は、しげやんに差し出された手をにぎり、腰を上げて、円の中心へ。しげやんのリードで、身体を動かし、回ったり、ひっぱったり、ひっぱられたり。言葉をつかわずに、呼吸と呼吸を合わせるように、身体が呼応します。

緊張しながらも、しげやんと子どもと二人のダンスが繰り広げられます。一人が終われば、また次の子どもと。

次は、しげやんが手を差し出すけれど、触れようとすると、手が逃げます。(ほ~ら、つまかえてごらん。)というように、逃げ出す手を追う子ども。そうするうちに、どんどんダイナミックな動きになっていきます。

周りの子どもたちは、微笑みながら、でも、じっとしげやんとクラスメイトの踊りを見つめていました。

じっと見つめる。お互いの動きを見て、さあ、どう出るか?


相手の動きに反応していきます。集中した空気。

息がぴったり。一番上手!との声が聞かれました。

食い入るようにクラスメイトのダンスを見つめます。


今度は、2人としげやんで。


あらかじめ振り付けが決まっているのではない、即興のダンスが繰り広げられます。

数人の子どもと踊った後で、「集まろうか」としげやん。集まった子どもたちに、またしげやんが語ります。

「よう見てくれる人じゃないと、怖いしできひん。」と、「見る」ことの大切さを語るしげやん。
「リコーダーを吹いて、3秒後に音が出たことある?ないやろ。同時やろ。そのことを身体でしてほしい。」と、今回のテーマになるメッセージを伝えるしげやん。

さあ、今度は、みんながやる番です。でも、その前に。よくない例についての見本。

二人組で、相手は身体を動かすのに、もう一人は全然反応しません。こんな姿は、「見ててかわいそうやろ?」の問いかけに、うなずく子どもたち。

「どうぞ、はじめてや!」の合図で、二人組になり、身体を動かし始めます。

手をひっぱりながら、回る。相手の手に触れようとする人、それから逃げる人で追いかけっこ。お互いの動きに反応して、身体が動き、動かされていきます。音楽が響く中、体育館中で、二人の関わりの中から動きが生まれていきました。

今日の最後に、しげやんから語られたこと。
「オーケストラの演奏では、一人ひとり自分らの音を出している。指揮者が何かしてからやるのではない。同時に演奏している。」
「“打てば響く。”つまり、打ったときには、音が出る。返事に3秒かかるとか、あり得ない。」

「動きに対して反応すること」を、「音」に例え、今回ダンスを作っていく上でのイメージを共有したところで、授業は終了。

授業の後で、先生から、「今年の組体操は“ハーモニー”というテーマで取り組みました。“相手の呼吸に合わせて”というしげやんからのメッセージに、通じるものがありました。」との感想をいただきました。

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授業の中では、こんな場面も。

しげやんが集合をかけたところ、集まっているのだけれど、しげやんからは見えない所に座っている子がいました。

そこで、しげやんが一言。

「人の顔が見えない所に座ると、あなたとは、関わりたくないっていうように見えてしまう。自分ではそういうつもりではなくても、そういうふうに見えてしまうよ。」

表現に向き合うプロだからこそ、気付かないうちに表現してしまっていることの危うさを、厳しさを持って指導されたのでしょう。

身体そのものが表現しているメッセージは、発している本人が思っている以上に大きいものかもしれません。また、意図せざるところで、何かを伝えてしまっているのかもしれない。表現しないことも、また一つの表現であり、周りは、何かを感じとってしまう。

「踊る」という行為以前の、「身体」や「私」について、深い気付きをもたらすしげやんの授業。

言葉による指示が少ないだけに、「指示されて動く」のではなく、「自分で考えて動く」ということが要求されます。それは、「自分の行動に、自分で責任をとっていく」という姿勢にもつながる気がします。

また、「プロ」としての姿勢で子どもたちの前に立つしげやん。そして、「プロ」としての行動を要求される子どもたち。そんなしげやんの姿勢と、プロの気迫が伝わる真剣勝負の授業。

しげやんと、そして自分の身体、友達の身体と向き合う中で、子どもたちは、どんなことを学んでいくのでしょうか。

あと2回の授業が楽しみです。

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先生との打ち合わせより・・・
授業終了後の昼休み、先生とふりかえりを行いました。
二人の担任の先生からは、こんな感想が聞かれました。

  • 子どもたちは、最初、戸惑っていたが、すごく身体を動かしたわけじゃないのに、しんどかった。でも、楽しかったと言っていた。
  • 考えないと動けない部分のある子どもたち。説明を聞いて、一瞬で理解していくというトレーニングにつながる。
  • プロフェッショナルの話は、キャリア教育として小学校なりに取り組む内容なので、とてもよかった。今回、ダンスの授業ということで、キャリア教育のことをお願いしていたわけではないが、していただけて、有難かった。

更に、しげやん独特の言葉に頼らない授業の進め方について、しげやんからは、次のような話がありました。
「“手をつなぎましょう。”というと、“え、つなぎたくないわ。”等、子どもたちの中にひっかかりを作ってしまう可能性がある。そういうひっかかりを、作りたくない。」
「“真似してください。”といえば、“真似なんかしたくない。”“真似すりゃええねんな。”というように、思ってしまうかもしれない。」
「“これ、やらんでええんやろか?”と、子どもたちが思って、自分でやることが必要。“やめていく子”と“やめない子”の違いはあっていい。」

しげやんの授業の進め方の背景にある様々な思い、そして経験から生み出されたテクニックについて、学ぶことができたふりかえりの時間でした。

 

大阪市立東都島小学校×北村成美 (発表日)
2011/10/2 運動会

発表日。曇り空の心地いい気候の中、いよいよ本番となる運動会が開催されました。コーディネーターの私たちだけでなく、先生方も緊張な面持ちです。低学年のかわいらしいポップなダンス、玉入れが終わり、5年生はソーラン節、6年生は組み立て体そうが次に控えています。全学年のプログラムがある中でも、今回の3.4年生のダンスは、少し特殊で今までにない自分たちのダンスとなります。

静かに入場し、アナウンスが入って、じっとする。みんなの緊張が伝わり、会場も息をのむ。「黄色のリボン、結ぶとかっこいい。」「かわいい。」と会場からヒソヒソ話し声が聞こえます。スタートの音量が小さかったせいか、「sing!sign!sign!」が流れてはじめて、ばらばらと踊ってしまったけど、それでも気をとりなおして真剣な顔。
こどもたちの足の指先から頭の先まで緊張感が通って、一人一人が個となって、それぞれに身体から存在を放ち、さっきまで広かった運動場が狭くみえます。
はじめの見せ所の「エグザエル(通称)」では、会場から拍手があがり、「今年の3.4年、なんかかっこいいな」「自分たちとはちょっと違う、いいなー」「なんかおしゃれ」と、ぐっとみんなのダンスに引き込まれます。「家ではもうちょっとうまくいってたのにー(笑)」「おお、おお」と保護者の笑い声や驚きも。保護者の方たちは、しげやんが学校に来てることは聞いていたけど、具体的にどんなことをしているか、こどもたちから聞かされていなかったので(本当にしげやんとの「約束」を守ってたため)、驚きを隠せません。

たくさん練習したダンスもあっというまに終盤にかかり、エンディングです。しげやんから出た宿題も3年生がしっかりリードして、「ありがとうござました!」と今までにない大きな声を出します。音楽の影響もあるのか、こどもたちは、ダンスを終えた達成感、緊張から開放された気持ちが顔に表れて、心から溢れ出た「ありがとうござました!」が運動場に響きます。その自信ありげな、ほころぶ顔はまるで本当のダンサーのよう。会場みんなで、拍手で盛り上げながら、最後のグループまでみんな大きな声で会場への感謝の気持ちを届けることができました。

これまではしげやんと一緒にたくさん練習して、みんなで揃えたり、それぞれで踊ったりしてきたけれど、こうして運動場で発表することで、会場からの反応を敏感に感じることができました。そして、そのお返しをするかのように大きな声と満面の笑みで感謝の気持ちを表現する。そうやって、こどもたちは、踊ることだけが「ダンス」となるのではなく、会場のレスフォンスを感じることで、初めて大きな意味での「みる」「みられる」を肌で経験できたと思います。
それはアーティストしげやんの「ダンス」の根源的な考え方である「相手の目をしっかりみること」を、こどもたちは「ダンス」を通して経験し、理解を深めることが出来たのではないでしょうか。また、「見てないと思ってるやろうけど、ちゃんと見てるでー!」としげやんの何度も出た「見る」という言葉は、ダンスの場面だけでなく、こどもたちの日常生活の中でふとしたときに行動にもつながることだと思いました。

 

※当日、しげやんは公演のためにこどもたちの発表をみることができなかったのですが、後日、しげやんのために特別にこどもたちの発表が行われたそうです。