大阪市立苅田北小学校×三原美奈子 (2日目)
2011/10/20(3,4時間目)

実施二日目。

授業の前に、教室をのぞきにいって、びっくり!箱たちが、きれいに色分けされて、積まれているではありませんか。また、どちらのクラスとも、なかなかいい感じで作業が進んでいる様子。

色分けされた箱を見て、三原さんから、「色と箱」に関する話を次々と聞かせてもらいます。

例えば・・・

・チョコレートには、赤色の箱が多いこと。
・牛乳は白色や青色が多いこと。
・カレーの箱は、色によって辛さの違いを表していること。赤は甘口、緑は中辛、青は辛口など。
・アイスには、冷たいイメージの青や白がたくさん使われていること
・薬の箱は白色ばかり。

他にも・・・
・デザインバーコードというのがあること。
・一度あけても、閉じて湿気を防止できるような仕組みになっていること。
・箱の後ろにも、色んな話や絵が描いてあり、楽しめるようになっていること。

普段何気なく見ている箱が、世界に誇る日本のパッケージデザイン、印刷技術を表しているものだと、改めて知ることができました。大人が聞いても、おもしろい話ばかり!

是非、商品と色の話を、今日の授業で盛り込みましょう!という話をして、子どもたちを迎えます。

***授業開始***

今日は、2時間の授業で、1・2組同時進行で行います。

まずは、2組さんと挨拶をして、箱を色分けして、気付いたことを尋ねます。そして、1回目から2回目までの間に、どんな工夫をしたか、また、どんなことに困っているか・・・等を聞き出していきます。

2組さんは、「トンネルハウス」と、「お城の学校」の二つに取り組んでいます。

トンネルは、トンネル部分は大体出来ているので、トンネルと接している面を作っていくことに。三原さんのアドバイスを聞きながら、作業開始です。

「お城の学校」は、どんどん積み上げて、作っていくことに。その時に、どちらの面が箱の表になるか、よ~く確認しながら、組み立てることを確認。

みんな、やる気いっぱいで、とりかかります。前回同様に、テープを切る人、箱を探す人、積む人、自然な役割分担ができています。

1組さんは、「星形の家」と、「大きなかおの家」の二つです。

「星形の家」チームは、星にちなんで、黄色の箱を集めて、組み立てる予定だったそうですが、黄色の箱が足りないことになり、グラデーションをすることにしたという計画を話してくれました。また、ちょうど、星の形の箱があったので、それを一番上につける予定で、とられないように、ちゃんと隠してある、ということも教えてくれました。なかなか、計画的です。

「大きなかおの家」チームは、顔をどうしようか考えている様子。こちらも、全部を赤の箱にしたかったけど、箱が足りないので、上部分は、白い箱を使って組み立てていくことになっているようです。

先生の指示もとびかいつつ、三原さんもそれぞれのイグルーを周りながらアドバイス。

子どもたちは、「色」にこだわって組み立てており、「赤い箱を、集めてきて!」というような声があちこちで。

また、作る過程で、色んなアイデアが生まれる様子もおもしろかったです。

「トンネルハウス」の後方では、「窓」を作ろうとしている男女数人が。

どうやったら、開く窓が作れるのか・・・ティッシュの箱をあっちに、こっちに向きを変えながら、みんなで検討しています。

箱の形や機能が、行為やデザインを生み出していく・・・そんな光景がいくつも見られました。

実際に手や体を動かしながら、箱を感じ、積み重ねていくこと。友達と一緒に、話しながら、また、友達の作業を見ながら、創作すること。

最初から正しい答えや優れた解答があるのではなく、箱と自分、そして自分と他者の中から生まれてくる「今」こそが答えであり、未来を創っていく。

正解が一つしかない授業とは、また違う、パッケージイグルーのワークショップ。ここでは、子どもたち一人ひとりが自ら未来を創っていける存在だということを感じられる、そんな時間だという気がします。

同時に、全員が同じことをするのではなく、一人ひとりが自分のやりたい形、得意な方法で作業に加わり、一緒に一つのものを創り上げているというプロセスにも、大きな意味があるように思われます。

2時間の授業は、まさにあっという間!

次は、いよいよ完成、そしてお家の方への発表会です。

次までにすることを三原さんと確認して、解散。

「また、箱を持ってくるよ!」と、意欲満々の子どもたち。

どんなイグルーが完成するのか、とても楽しみです。

***先生たちとのふりかえり***

昼休み、先生方とふりかえり&次に向けての打ち合わせを行いました。

先生からは、「子どもたちは、イグルーを作りたくて、作りたくて仕方ない。こんな活動が大好きで、“やりたい、やりたい”という声がたくさん聞かれた。」という感想が。

先生たちも一緒になって、活動を楽しんでくださったり、子どもたちのやる気に圧倒されたりしている様子が伝わって、嬉しくなりました。

次はいよいよ最終回。どんな変貌をとげるのか?期待を胸に、学校を後にしました。

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