期待をふくらませて教室に行ってみると・・・
既に完成かと思われるようなイグルーが出来上がっていました。
1組さんの星形の家。
前回、先生から、「子どもたちが、上に屋根をつけて、てっぺんに星をつけたいと言っているが、どうしたらよいだろう。」という相談がありました。
それに対して、三原さんから、「屋根を箱で作るのは、重みで落ちてくることもあるし、難しい。柱を立てて、そこに向かって骨組みを作ったり、ビニールを使って屋根風のものを作ったりしてはどうか」という話がされました。
そして、その話どおりに、立派に屋根ができあがった「星形の家」が!!
白い箱にはお絵かき!オリジナルのパッケージになりました。 |
お城の学校には、時計が設置されました。本当の学校みたいだね! |
とにかく、入りたくて、しょうがない!少し入るのには狭いけど、この入り口は、大人気です。 |
たくさん積み重ねて、背丈より高いイグルーになりました。でも、まだまだ積み上げたい!!という様子。 |
大きなかおの家。目の部分は、窓にしています。まつげや歯も加えて、ぐっと顔らしくなりました。 口の部分から入れます。 |
あっという間に時間は流れます。子どもたちの様子を見ていると、ひたすら「作る」時間から、今度は、「遊ぶ」時間へと移行していることがわかります。
「トンネルハウス」では、トンネルをくぐって遊ぶ子がいっぱい。前回、苦心して作った窓も、いい感じです!
「おしろの学校」では、学校の教室を見立てて、椅子やえんぴつ、ふでばこ、時計などをせっせと作っています。入り口が二箇所あり、狭い低学年用の入り口と、高さも高く、幅も広い高学年用の入り口の二箇所があります。う~ん、よく考えられています。
「おおきなかおの家」は、まつげや歯も加えられ、ぐっと顔らしくなりました。元の原画が、「うさぎ」をモデルにしたものであったということで、上の部分がうさぎの耳になっています。
「星形の家」は、屋根もついて、防寒もばっちり!?せっせとビニールテープでのれんを作り、入るための暗号も決まりました。
さて、いよいよ、お家の方への発表です。
発表会には、たくさんのお家の方がかけつけてくださいました。(先生方によると、子どもたちが、家でたくさん宣伝をした効果があったとのこと。)
まず、三原さんから、お家の方、そして子どもたちに対して、「パッケージ」のおもしろさについてのお話がありました。三原さんは、この日のために、「パッケージイグルー堪能ガイド」を作成してくださいました。
・パッケージを集めるところから、このワークショップはスタートしているということ。
・箱の表裏を考えたり、大きさや強度に注意してくみ上げたり、箱の色と中身について考えたり、箱のフタをとめるときに、色んな開け方をする箱があることを知ったりできるということ。
・できあがってから、そのイグルーとともに、箱をじっくり見ることで、発見があること。
などなど・・・興味深い話がいっぱい!子どもたちも、真剣に耳を傾けていました。
「中身を取り出したら、すぐに捨ててしまいがちな箱。それを集めることで、消費の傾向が分かったり、その時期の生活ぶりが見えてくる」という三原さんのお話に、納得です。
そういえば、箱を集めた時期が夏だったこともあり、アイスの箱が、たくさん集まったのでした。
三原さんの話を聞いたあと、それぞれのイグルーのチームの代表が、自分達のイグルーのアピールを読み上げます。苦労したところ、見てほしいところなどを、元気に発表しました。
そして、三原さんから、一チームごとにコメントをもらいます。
発表のあとは、みんなでイグルーで、遊ぶ!!
この日は、小学校にまだ入っていない弟、妹たちもたくさん来ていて、お兄さん・お姉さんも作ったイグルーに招待され、とても楽しそうに遊んでいました。
大人気のトンネルハウス。出たり入ったりが楽しいね! |
骨組みが、実にしっかりした星形の家。 先生たちも、子どもたちの思いを形にしようと一緒にがんばってくださったそうです。 |
お母さんたちがたくさん参観に来られていましたが、箱を外から眺めながら、「うちから持っていった箱がある」「見てるのもおもしろいな~」など、お話をされていました。
本当に、色んな箱があって、眺めているだけでも飽きないパッケージイグルー。表からはもちろん、イグルーの中にはいって、中から眺めて、商品の説明や原料などを眺めるのも、また、楽しいのです。
遊ぶ時間は、あっという間にすぎて、いよいよ三原さんと子どもたちのお別れの時間。
身の回りにありふれた「箱」のおもしろさを、存分に味わわせてくださった三原さんのワークショップ。そして、自分達で作り上げたパッケージイグルー。
満足そうな子どもたちの表情で、授業は終わりを迎えました。
先生方とのふりかえりでは、次のような感想が聞かれました。
・大人が見てても、おもしろい。生活が見える。
・作業の中で、自然と役割が分かれた。テープを切る子には、テープ係としての誇りが感じられた。どんどん作業を洗練させていって、まるで職人のようだった。
・前日も、休み時間ごとに作業に行って、汗だくで戻ってきていた。相当な思い入れがある。
・他のチームのイグルーを回らずに、ずっと、自分のところのイグルーの「番」
をしていた子もいる。
・保護者の方が、驚いておられた。もっと小さいものを想像していたようだ。ここまで、できると思っていなかった。
・保護者の方にとってみたら、「自分の家にあったものが、こういう形になる」・・・自分も参加しているような気分になれるのではないか。
今回のパッケージイグルーを作るためには、まず、箱を集める必要がありました。お家の方の協力があって、出来上がったものを、最後に見てもらえて、そして楽しんでもらえたことも、素晴らしかったと思います。
また、ワークショップが3回という回数にも関わらず、ここまで立派なイグルーが出来上がったのは、三原さん、そして子どもたちの力ももちろんのこと、先生の協力のおかげでもあります。
家庭、先生、子どもたち、そしてアーティストが連携して創り上げたパッケージイグルー。
本当に奥深いおもしろさにあふれていました。
三原さんは、小学校での授業は今回が初めてだったということで、パッケージイグルーワークショップの実現にとても喜んでおられました。
是非、これからも、大人にも子どもにもたくさんの発見と学びと楽しみがある、パッケージイグルーワークショップを、たくさんの方に体験してもらいたいと思います。
達成感と心地よい疲労感を感じながら、苅田北小学校でのワークショップは幕を閉じました。