大阪市立東都島小学校×北村成美 (1日目)
2011/9/6 (1~4時間目)

今日から始まるダンサー北村成美さんによるワークショップ実施。今日から4回のワークショップを通して10月2日に行われる運動会でのダンス公演として発 表します。北村さんと東都島小学校の3年生(2クラス)、4年生(2クラス)のこどもたちといっしょにダンスをつくっていきます。

初めてお互いが出会う初日は、まずは1クラスごとに1時限ずつ、北村さんとの時間を過ごしました。実施を開始する前に、北村さんから「体育館にこどもたち が入ってくるとき、私たち見学者はだらっと立つのではなく、緊張感を持って見ていてください。」と指示がありました。ここでは1クラスに実施されたおおま かな流れを報告します。
※でも、クラスごとのこどもたちの出方に合わせて、北村さんの即時の判断により微妙にタイミングや内容は異なります。

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チャイムがなってこどもたちが体育館に入って来ます。先生のかけ声によって整列し挨拶が始まり、「滋賀県からやってきました、しげやんです。よろしくお願 いします。」「大阪からきました、あやです。よろしくお願いします。」とお辞儀をします。その後、2人も、先生も一切話をせず、静かな空気が流れます。静 かな空気にこどもたちがざわざわしてきた頃、しげやんとあやさんは、スッハー、スッハー。と無言で、大きな呼吸を繰り返します。それをみたこどもたちは、 整列しながら、2人を見て、同じようにスッハー、スッハー。
それからも少しずつ確認するように、立ちポースを変えてみたり、しゃがんでみたり、ジャンプしてみたり、2人は無言で続けます。それを真似するように、ケ ラケラと笑い声を出しながら、こどもたちは夢中に真似をします。しまいには、体育館をぐるぐる走り回って、到着して、正座してこどもたちの目をじっと見な がらタイミングをはかり、「よろしくおねがいします!」と大きな声を出します。

ようやく喋ったとこどもたちも安心した様子で拍手をしていると、今度は北村さんが無言でこどもたちに手招きをします。北村さんの目で、「こっちにおいで」 と言わんばかりに。こどもたちは北村さんに吸い込まれるように集まり、北村さんはひそひそ声でこどもたちに何やら話をしています。

「ハイ、ハイ」とこどもたちの声しか聞こえない状態で、北村さんの合図とともに、いつの間にか体育館の真ん中で輪になって座り、北村さんが輪の中にはい り、こどもたちの顔をじっとみます。「わたしの目をよく見ている子を選ぶ」と一言いって、こどもの前に座り、無言で手を差し伸べます。そしたら、目の合っ ているこどもも自然と手が出て、握手の状態になったらそのまま、輪の中央へスルスルと移動し、北村さんとこどもがペアになって踊り始めます。お互いの目を みて、手をひっぱったり押したり。くるくる回ったり。即興ダンスのようです。

もちろん、中には手を出す事も躊躇する子もいました。それでも、北村さんはじっとこどもの目をみて待ちます。 また、北村さんに負けないぐらいの目をじっとみている子もいて、ダンスすることを怖がらない、恥ずかしがらず、北村さんとつながっていく姿もありました。

今度は、北村さんではなく、2人組になって、お互いの手を組みあいます。「相手の目をしっかり見ること」をルールに、こどもたちは広がって片方の手に力を 送り込むように、重心をかけ、またその受け手はその重心を受けるように寝転び、シーソーみたいにソレを繰り返します。うまくしなやかに動いてる子もいれ ば、頭をごつんと床で打つ子も。なぜ、頭を打つか、みんなの前で実践して見せ、違いが何かをこどもたちが意見するように促します。

最後に、このシーソーの動きから発展させて、大きな声でじゃんけんして、負けた方に押してみたり、「こんにちは〜またあした〜ようおこし〜♪」と歌に合わ せて、手から気持ちをつなげていく行為をしました。 ここでチャイムが鳴りまた次回に。最後に手招きをして、こどもたちが北村さんに集まり、こっちをちらりとみながらひそひそ話をして終了しました。

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今回の実施は先生もいっしょにダンスをしており、毎回実施終了後に次回の打ち合わせをします。今回は初日というのもあって、先生も驚きでいっぱいの様子で した。お互いの感想を話しあった後、『「静かにしなさい」「円になりなさい」を言葉で言うことはダンスの世界では通用しません。もし頭が言う事きいたとし ても、気持ちがそうなっていないことが多く、身体にもそれが表れるからです。』と北村さん。いかに言葉で説明するか、指導するかを考えている先生たちとは まったく異なった北村さんオリジナルのダンス指導が始まります。

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